整体院「GRACE」院長上杉 勉
1970年生まれ、新潟市秋葉区在住
実は、うちのステキな奥様、かなりの難産でした。うちの子も、今では誰よりも元気にしていますが、NICUに直行し、感動的なご対面も、抱っこすることもできませんでした。
奥様は、出産時に、かなり裂けてしまったため、退院するのによけい日数がかかり、これもまた心配でした。「恥骨が痛いよ〜(涙)」
ある程度落ち着くと奥様のほうは退院できましたが、子供はNICUから出るのに更に日数がかかり、約1ヶ月の間、母乳を届けるために毎日、家と病院を行き来きすることになりました。
当時は、私達は江ノ島のある、神奈川県藤沢市に住んでいました。国家資格を取るために、神奈川の鍼灸マッサージの専門学校に通っていたためです。車は所有しておらずどこへ行くのも、徒歩か、電車か、バスでした。
奥様は、産後のボロボロの体でしたが、NICUに入っている子どものために、毎日母乳をしぼって病院まで届けることになりました。病院まで車があればほんの20分の距離でしたが、電車とバスと徒歩だと約1時間かかります。
自分の体も大変なはずなのに、搾乳して電車とバスを乗り継ぎ、歩いて毎日病院に通うのは本当に辛かったと思います。
しばらく痛みを我慢していましたが、ある時から腰の痛みを私に訴えるようになりました。寝返りが打てない、朝起きると痛い、ずっと座ってられない、おしりから足にかけてしびれも、さらに足がむくんで冷たい!こんな症状が。
それはそうですよね。産後は、体を労ってゆっくりしてなければならない時なのに、毎日、電車とバスを乗り継いで、ボロボロになりながら、病院に通うなんて・・・体は痛くなるし、精神的にも参っていたと思います。
しかし程なくして、子供も無事退院し自宅で子育てできるようになりました。私は、特に父親になったという実感もあまりなく、初めての赤ちゃんに、まわりであたふたしているだけでした。
妊娠中はつわりが酷く、水分を取るのも嫌がっていましたが、産後はそれを取り戻すように食欲が増え体重増加。それも重なって腰の痛みが増強しメンタルにも影響しはじめました。
3時間おきの授乳や、おむつの交換で睡眠不足になり、イライラや、ストレスで、あんなに優しくて穏やかだったのに、なんだかトゲトゲして怒りっぽくなったような。
腰痛を我慢しての授乳姿勢のためか、肩が巻き、顎が出て胸が下がり、お尻も垂れて、いつも疲れやすくなりました。
男性なので、出産の苦しみはわかりませんが、その後の産後消耗し切った体で、赤ちゃんの世話をするのは大変なことだと側から見ていてわかりました。
しかし・・・恥ずかしい話ですが、その時、私はダメな男の典型で、ゆったり構えて家事に協力してあげればいいものを、こちらも忙しさについついイライラしはじめ・・・「こっちだって忙しいの!」と出産後の数ヶ月は、つまらないことで喧嘩になってしまったことが多かった時期でもあります。奥様の気持ちのことなんてこれっぽちもわかってあげられないほんとダメな男でした・・・。
ある日、あまりに腰が痛いというので、ちょっと骨盤を診てみると・・・こ、これは・・・!
「あらま〜!こんなに歪んでたの?これじゃあ痛いよね。つらいの一人でよくがまんしてがんばってたね。自分の体を犠牲にして、一人で子育てしててくれたんだね。ありがとう・・・。そして、ごめんね・・・。」
奥さん「うわ〜ん。(涙)』
奥さんの体を見て、辛い気持ちと、産後の大変さががわかった瞬間でした。
その後、奥様の話を聞きながら、暇を見ては骨盤矯正を行い、開いてしまった骨盤をもとに戻しました。背骨のカーブもS字にととのえ、重心の位置をキレイに整えてゆきました。
すると、程なくして腰痛が消えはじめ、バストとお尻が元の位置に戻り、元気な若々しい体型に戻り始めました。体重を戻すのは少し時間がかかりましたが、いつのまにか、もとのやさしくて可愛い奥様に戻りました。
もし、あの時忙しさにかまけ、しっかり産後ケアをしないまま、腰痛を抱え、疲れやすい重たい体で残りの人生を過ごしていたら、どうなっていたことでしょう。
きっと、いつも夫婦喧嘩の絶えない、つまらない家庭になっていたと思います。これでは、子供にもいい影響はありませんよね。
また、夫婦仲の悪い家庭では、今のように自分の好きな仕事にも集中することができなかったと思います。家内安全の鍵は奥様の健康にあると実感した出来事でした。お母さんが元気で笑顔でないと、家庭も仕事も回りませんよね。
体が良くなってからは、子どもの成長と共に、家族でいろんなところに出かけたり、一緒に遊んだりして素敵な時間を過ごすことができたと思います。奥さんも少年野球の送り迎えも難なくこなしママ友もたくさんできました。
いま、子供が大きくなって振り返ると、子供が小さいうちは本当に夢のように素晴らしい時間です。そして、あっという間に過ぎ去る取り戻すことのできない貴重な時間。その貴重な時間を体の痛み、腰痛やしびれ、イライラして子供に当たったりして楽しめないのは辛すぎます。(高校生にもなると遊んでくれませんからね。一緒に遊べる子ども時代はあっという間に終わりますよ。)
産後はしっかりケアして、健康な状態で、家族の素敵な思い出をたくさん作ってもらいたいと思います。
また、出産経験のない方も、普段の家事や仕事、ストレスで体がボロボロの方も多いと思います。「産後ケア何もしないで、もう20年以上経ってしもた〜!腰が痛いよ〜」という方でももちろん大丈夫です。よくなります!当院で、姿勢を整え、健康と若さと美しさを取り戻せますよ。
気になる方は、ぜひ一度ご来院くださいね。心よりお待ちしております。
ここからは、余談です。読みたい人だけ読んでね。
私は、30代後半で訪問鍼灸マッサージの会社「株式会社 ほほえみ治療院」を起業しました。お陰様で、仕事は順調でしたが、とても忙しく自分自身をケアする時間を確保できず、体を壊してしまった経験があります。
社員にも、家族にも辛いところはいっさい見せず、普通に生活していましたから、余計にしんどかった。(-_-)
も~!完全に回復するまで5年以上かかりましたよ。う~ん、長い!今になってみれば、少しは家族だけにでも、弱音を吐けば良かったと思います。でも、子供も生まれたばかりだったので、その時は、それもできませんでした。
いつになったら、回復するんだろうと、気持ちも焦り体も不調でどん底を経験しました。幸い、素晴らしいスタッフと家族に恵まれ、なんとか危機を脱することができました。
もしあのとき少しの時間でもいいので、自分自身と向き合う時間を作り、こころやからだをいたわってあげることができたなら、40代のステキな時間を5年も苦しんで過ごすことはなかったとおもいます。いや~失敗、失敗。
それでも、今になって思うと、あのとき体を壊してみて学ぶこともたくさんありました。それまで健康だけが取り柄で、体がつらいことなんてありませんでしたから、苦しんでいる人の気持ちなんてこれっぽっちもわかりませんでした。